はらっぱ
- Information
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- 日程
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- 〜
- 終了
- 場所
- ともだちや絵本美術館 えほんギャラリー
何かがある 何でもある
何かが起こる 何でもできる
誰かが来る 誰でも来れる
えほんギャラリーが そんな絵本の“はらっぱ”に
なんとなく ふらり 立ち寄って ぼーっと 想像してあそぼう
絵本原画展
『たべたあい』
高山なおみ 文 中野真典 絵 リトルモア刊
好きなものを抱きしめたい、近づきたい、いつも一緒にいたい。食べることは好きなものに近づく最も本能的な行為です。
キャラメルも、ねこも、くまも、そして山までも。何でも「たべたあい」女の子は、輪郭が明確に描かれておらず、まわりのものと溶け合って一緒になっています。
小気味の良い関西弁と、画面いっぱいに広がる明るい色彩、ダイナミックな筆致からは、はらっぱにあふれる全てのものが発するエネルギーを受け取ることができます。
『よろしくともだち』
内田麟太郎 文 降矢なな 絵 偕成社刊
はらっぱで賑やかに遊ぶキツネとオオカミたち。それを丘の上から眺めるコダヌキ。ふたりが立っている場所の高低差は、コダヌキとオオカミとの心の距離を表しているかのようです。
キツネの仲介で少しずつ距離を縮めていくコダヌキとオオカミ。仲良しになったあとは、広いはらっぱで思う存分走り回ったことでしょう。
大牟田出身の内田麟太郎さんとスロヴァキア在住の降矢ななさんによる人気絵本「おれたち、ともだち!」シリーズの一冊。
『すみれ』
北條民雄 文 山﨑克己 絵 国立ハンセン病資料館刊
人里離れた山奥には何もない、と嘆きながら暮らすおじいさん。ふと目に止まったすみれとの出会いから、どんな状況でも前向きに生きることの尊さや、何もないからこそ大きく広がる空に「心のはらっぱ」を見出したようにも思えます。
緑深い山奥に突如現れる、ゆったりと雲が流れる青空や、きらきらと輝く星空との対比が印象的です。
この絵本は、ハンセン病への理解促進と偏見や差別をなくすため、国立ハンセン病資料館により出版されました。
作家プロフィール
高山なおみ
1958年静岡に生まれる。レストランのシェフを経験し、料理家となる。料理本から絵本までさまざまな本を執筆。作品は、エッセイ『日々ごはん』(アノニマ・スタジオ)、絵本『おにぎりをつくる』『どもるどだっく』(ブロンズ新社)、『それからそれから』(リトルモア)など。
中野真典
兵庫県小野市に生まれる。大阪芸術大学卒業。保育士勤務を経て、作家活動に入る。絵本『おもいで』(クレヨンハウス)、『おはなしトンネル』(イーストプレス)、『どもるどだっく』(ブロンズ新社)、『それからそれから』(リトルモア)など。
内田 麟太郎
1941年福岡県大牟田市に生まれる。作品は、『さかさまライオン』第9回絵本にっぽん賞、『がたごとがたごと』第5回日本絵本賞(以上童心社)、『うそつきのつき』(文渓堂)第46回小学館児童出版文化賞、『すやすやタヌキがねていたら』第15回日本絵本賞、『ともだちできたよ』第18回日本絵本賞(以上文研出版)、『くじらさんのーたーめならえんやこーら』第22回日本絵本賞(鈴木出版)、『ぼくたちはなく』第15回三越左千夫少年詩賞(PHP 研究所)。ほかの主な作品は「おれたち、ともだち!」シリーズ、大牟田の絵本『わらうだいじゃやま』(石風社)など多数。
降矢 なな
1961年東京に生まれる。スロバキア共和国のブラチスラバ美術大学・版画科卒業。作品は、『めっきらもっきらどおんどん』『きょだいなきょだいな』『おっきょちゃんとかっぱ』『ちょろりんのすてきなセーター』『ちょろりんととっけー』『ねぇ、どっちがすき?』「やまんばのむすめまゆ」シリーズ(以上福音館書店)、『いそっぷのおはなし』(グランまま社)、『ナミチカのきのこがり』(童心社)、『黄いろのトマト』(ミキハウス)、『やもじろうとはりきち』(佼成出版社)、『どうぶつABCえほん』(のら書店)、『ピーターとオオカミ』(偕成社)、『チェコのむかしばなし ヴォドニークの水の館』(BL出版)など多数。スロバキア在住。
北條民雄
本名七条晃司。1914年徳島に生まれる。二十歳の時にハンセン病を発病する。川端康成に師事し、自身の体験に基づいた小説『いのちの初夜』『癩院受胎』などを発表。1937年、二十三歳の若さでこの世を去る。
山﨑克己
1954年東京に生まれる。作品は、漫画集『餃子読本』(思潮社)日本漫画協会優秀賞を受賞、『おつきさまにきいてごらん』GLO大会賞厚生大臣賞受賞。『ねんねこバスツアー』小学館第3回おひさま大賞優秀賞。ほかの主な作品は『エイサー!ハーリー』(フレーベル館)、『おにぎりゆうしゃ』(イーストプレス)、『うどんドコドコ』『ふろしきでんしゃ』(BL出版)など。