展示会情報

絵本の中のおくりもの

Information
日程
    • 開催中
会場
ともだちや絵本美術館 えほんギャラリー

ともだちに感謝したい、あの人を励ましたい。
その気持ちは心の中にあるもの。だから、目に見えません。

そんなとき、人は「おくりもの」をします。

「おくりもの」にはいろいろなかたちがあります。どのような「おくりもの」をしたら相手が喜ぶか、それを考える自分の方がもっとうれしいのかもしれません。

今回の原画を展示する絵本には、いろいろな「おくりもの」が出てきます。その「おくりもの」の裏側にある贈る人の気持ちを考えてみてください。きっとあなたも誰かに「おくりもの」をしたくなるはずです。

絵本原画

『いつだってともだち』

作:内田麟太郎 絵:降矢なな 出版社:偕成社
「おくりもの」は、贈る側が相手を喜ばせたいと思うあまり、時に相手に戸惑いや不安を与えます。でも最後は、それがお互いの思いを確かめ合う喜びになるのは、それが「いつだってともだち」だからなのでしょう。
ひとりぼっちにされたキツネが真っ暗な穴の中から見る満点の星空は、この後の「おくりもの」を素晴らしいものにする最高の演出となっています。
大牟田出身の内田麟太郎さんとスロヴァキア在住の降矢ななさんによる人気絵本「おれたち、ともだち!」シリーズの一冊。

『ともだちくるかな』

作:内田麟太郎 絵:降矢なな 出版社:偕成社
「こころ なんか、いらないぞーっ」
「おくりもの」がこないだけで、人はここまで追い詰められるのでしょうか。それをちょっとした「おもいちがい」で感動的な物語に仕立て上げる作者のユーモアと、オオカミとキツネのこころの中までも見事に描写する画家の技量が絶妙に絡み合い、読者を強く引き込みます。
大牟田出身の内田麟太郎さんとスロヴァキア在住の降矢ななさんによる人気絵本「おれたち、ともだち!」シリーズの一冊。

『さみしがりやのサンタさん』

作:内田麟太郎 絵:沢田としき 出版社:岩崎書店
世界中の人が「おくりもの」の幸せにあふれるクリスマス。「おくりもの」はそれを贈る人にとっても喜びであることはみんな知っています。でも、それは贈る人もいつかどこかで誰かからもらった「おくりもの」があるからこそ、次の誰かに贈っているのかもしれません。
まるでメロディーまで聞こえてきそうな、へんてこな歌と踊りをするおおおとこだけは、大切な「おくりもの」のことを知っていたのでしょう。
そういえばおおおとこの白く長いひげ…もしかして?読めば読むほど味わい深い絵本です。

作家プロフィール

内田 麟太郎

1941年福岡県大牟田市に生まれる。作品は、『さかさまライオン』第9回絵本にっぽん賞、『がたごとがたごと』第5回日本絵本賞(以上童心社)、『うそつきのつき』(文渓堂)第46回小学館児童出版文化賞、『すやすやタヌキがねていたら』第15回日本絵本賞、『ともだちできたよ』第18回日本絵本賞(以上文研出版)、『くじらさんのーたーめならえんやこーら』第22回日本絵本賞(鈴木出版)、『ぼくたちはなく』第15回三越左千夫少年詩賞(PHP 研究所)。ほかの主な作品は「おれたち、ともだち!」シリーズ、大牟田の絵本『わらうだいじゃやま』(石風社)など多数。

降矢 なな

1961年東京に生まれる。スロバキア共和国のブラチスラバ美術大学・版画科卒業。作品は、『めっきらもっきらどおんどん』『きょだいなきょだいな』『おっきょちゃんとかっぱ』『ちょろりんのすてきなセーター』『ちょろりんととっけー』『ねぇ、どっちがすき?』「やまんばのむすめまゆ」シリーズ(以上福音館書店)、『いそっぷのおはなし』(グランまま社)、『ナミチカのきのこがり』(童心社)、『黄いろのトマト』(ミキハウス)、『やもじろうとはりきち』(佼成出版社)、『どうぶつABCえほん』(のら書店)、『ピーターとオオカミ』(偕成社)、『チェコのむかしばなし ヴォドニークの水の館』(BL出版)など多数。スロバキア在住。

沢田としき

1959年青森県に生まれる。作品は、『アフリカの音』1996年日本絵本賞(講談社)、『てではなそう きらきら』第8回日本絵本賞読者賞(さとうけいこ文、小学館) 、『ピリカ、おかあさんへの旅』第49回児童福祉文化賞(越智典子文、福音館書店)、『ほろづき』(岩崎書店)、『ちきゅうのうえで』(教育画劇)など 多数。2010(平成22)年急性骨髄性白血病により51歳の 若さで死去。